児童教育の現場より 楽しい授業作りの工夫

メヒカリ日本語学園/梶 美由紀

『楽しい授業』、これは児童教育に携わる先生方が常に考えておられることと思います。同じ日本語教育といっても、成人対象と児童対象とでは授業の内容が大きく異なります。児童教育の現場で常に私の頭を悩ませているのは『いかに子どもたちを飽きさせないか』ということです。皆様はいかがでしょうか?そこで、私がこれまで授業の中で取り入れて好評だったものの一部を紹介したいと思います。


●『フルーツバスケット』

    「フルーツバスケット」というゲームをご存知でしょうか。 りんご・みかん・パイナップル・ぶどうなどフルーツの名前で生徒を3~4グループに分け、その人数分より1つ少なく椅子を輪にして並べ座らせます。ひとりだけ「おに」を決め、「おに」が呼んだ名前のグループの人達だけ他の椅子に移動しなければならないゲームです。その時、「おに」も椅子に座れるようにこの椅子取りゲームに参加します。したがって、一人だけ座れなかった人が次の「おに」となります。「おに」がフルーツバスケット ! と叫んだら全員が他の椅子に移動しなければなりません。果物の名前を教えてからゲームにつなげると、楽しく単語を覚えることができます。また「おに」になった人への罰ゲームとして既習文型で文をつくらせたり、以前に教えた歌を歌わせるなど復習にも応用させることができます。

●  「こぶた・たぬき・きつね・ねこ」

この遊びは個別名詞から共通する概念を使って、いろいろな種類の単語に応用することができる歌のゲームです。たとえば「どうぶつ」の概念を使って「 こぶ た ・ た ぬ き ・ き つ ね ・ ね こ 」の歌を教えた後に、同じルールで動物の名前を使って遊ぶこともできます。この歌は、出てくる動物たちの単語がしりとりになっているので、それを利用して最後の「ねこ」はクイズ形式にするなど子供たちの類推力を養うことにも一役買ってくれます。この授業の導入として私はまず、各動物の絵を描きます。絵を描き始めた時点で「何だろう?」と興味を引くようで、描き終わって母国語でそれが何なのかがわかり、日本語で「こんな言い方するんだ!」とまた興味深い様子を見せます。歌を歌うことも楽しいらしく、特に歌の歌詞の 2 番で動物の泣き声が出てくると、本物の動物のように真似る生徒が必ずどのクラスにもいて大変盛り上がりました。そのせいか、ゲームを始めて、罰ゲームで歌を歌うことにすると、わざと負けて「おに」になりたがる生徒もいたほどです。こうした「大きい概念」を踏まえて単語を覚えさせるのはコミュニケーション能力にも大きく役立ってくれます。たとえば、名前がわからないけど、目の前にある「もの」が欲しいとき、「それをください。」という代名詞を使うことができます。でもそこにいくつか種類の違うものがあったとしたら、「その果物をください。」などと、より明確に欲しいものを伝える文をつくる事ができます。以上ですが、 『楽しい授業』つくりの 参考になれば幸いです。

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